ローケツの小紋にはこんな作品も

  • 2018.10.26 Friday
  • 06:33

先日、ローケツの目返しの小紋をご覧いただきました。

手描友禅の古典的な京風小紋はお客さまのご注文で何度も染めていますが、民芸風な味わいはローケツならでは。

 

前回は蝋の上から被った味わいを見て頂きましたが、今回は糸目筒描きと同じ様に線で防染して彩色したものをご覧頂きます。

単純に「角更紗」

光の加減で上と下が色が違って見えますが、ぼかしでなく同じ色です。

白の線を蝋で描き彩色したもの。

拡大すると。

糸目の筒描きより太めになりますが、適度に太細がついて味わいがあります。

 

もう一柄は「段更紗」

 

拡大すると。

 

全て手描なのでやはりそれなりに時間がかかります。

更紗なので誰もが普段着でもお呼ばれでも、使い回しがしやすい着物と言えます。

2019年元旦より価格改定を行ないます

  • 2018.10.24 Wednesday
  • 06:57

白生地の値上がりは留まる所を知りません。

原材料である生糸の値上がりよりずっと押さえられて白生地価格ですが、溜まったマグマの様に噴火した様です。

白生地にはまだまだ上がる要素があります。

 

恐れ入りますが、一つの区切りとして来春一月一日元旦より価格を改定させて頂きます。

遊小紋、遊小紋供⊇住飴欧蠱緤の定価を7千円アップの次の価格になります。

遊小紋:仕立上り・・・・・108,000円→115,000円

遊小紋供Щ杜上り・・・・128,000円→135,000円

十三参り着物:仕立上り・・138,000〜178,000円を145,000〜185,000円

となります。

 

多少、今迄の在庫の白生地がありますが、その生地を希望される場合は価格を下げさせて頂きます。

 

伏してご了解をお願い申し上げます。

詳しくは工房へお問合せ下さいませ。

 

染工房 遊 店主敬白

丹波篠山の古刹と柏原

  • 2018.10.16 Tuesday
  • 08:08

黒豆の名産地で観光地としても知られる丹波篠山には二年に一度は訪れています。

今年も黒豆を求めて丹波篠山に行きましたが、ひょんな事から城跡や街並を外れて古刹に。

 

先ず行ったのは紅葉の名所「大国寺」

小さなお寺ですが、紅葉が始まりかけていました。

本堂は室町時代に創建で重要文化財。

手前の青紅葉も綺麗です。

右の方に坐像が見えますか?

「びんずる様」と言って病の箇所を撫でてから自分もその箇所を撫でると薬効があるとされる仏様です。

この本堂は軒先に上がると本尊を拝顔出来ます。

重文の薬師如来、大日如来、阿弥陀如来、持国天、増長天。

小さいながらも良いお寺です。

紅葉の最盛期は超お薦め。

 

この近くにお寺を発見、「文保寺」です。

「ぶんぽうじ」と読みます。

創建は何と645年、大化元年です。

最盛期は21の伽藍を数えた大寺院でしたが、天暦の乱と明智光秀の丹波攻めで二度全舎焼失を経験しています。

江戸中期に再建されました。

その「楼門」

風情満点、両脇に仁王、大きな藁草履が掛けてあります。

山の斜面に伽藍が点在、上がって行くと塔頭の「大勝院」が。

他に真如院、観明院が参道沿いにあります。

その参道は川の側。

勾配がきついのですが風情があります。

一番奥に本堂。

御本尊は秘仏の「聖観世音菩薩」と「千手観世音菩薩」。

この11月3日から7日まで再興七百年を記念して御開帳されます。

天台宗の寺院で本堂はこんな彫刻も。

千社札や燕の巣の跡も。

 

この後、前から気になっていた近くの丹波町の「柏原藩陣屋」跡へ。

カーナビで見つからなかったので、すぐに見つけた趣のある建物に。

「たんば黎明館」小学校から病院、そして女学校の校舎に使われた建物。

明治18年に建立されました。

中に入るとなかなかのもの。

一階にはフレンチレストラン、車なのでワインの飲めないフランス料理はパス。

二階にランチバイキング「タンバール」があったので閉店ぎりぎりに無理を言って対応して頂きました。

なかなかの美味、私はトマト風味のキーマカレーが気に入ってお代わりしました。

 

陣屋は直ぐ側にありました。

こちらは陣屋前にある長屋門。

立派な門は大名ならでは。

入ると陣屋があります。

破風屋根が立派です。

奥行きも大したものなんですが、小学校に使われた事も。

昨日は休館日で中に入る事は出来ませんでした。

隣には小学校があり子供の声が騒がしい程。

 

こちらの地名「柏原」ですが「かいばら」と読みます。

その昔この地は「加伊原」と呼ばれていたのですが、領主の転移の都合で柏原になりました。

読み方は昔のままに「かいばら」とされたのは領民の願いからだとも。

丹波市柏原は八幡神社の門前町として開きましたが、後に織田家柏原藩の城下町として栄えました。

小さな祠の様は神社も点在、織田家にまつわるのものが大半の様です。

 

そこに見つけた超お宝の木がありました。

根が橋の代わりになったという欅です。

根が8mの川をまたいで地中に。

「木の根橋」

推定樹齢千年とされる欅は現在でも盛んな樹勢だとか。

 

帰り道、素敵な店を発見。

「中島大祥堂」

茅葺きの尖った屋根が特徴のお菓子屋さん。

和菓子もありますが綺麗な洋菓子がメインの様で、人気の少ない街並ながらけっこう人が居ます。

尖った屋根、内側はこんな風でした。

和傘をモチーフにした茅葺き天井。

お洒落です。

こちらの隣にはカフェレストランがあります。

洋菓子の他に本格的なピザなども。

ティータイムを楽しみました。

その建物も茅葺きです。

観光に力を入れていて、11月の10日11日は無料の紅葉巡りバスが福知山線柏原駅前から出ます。

面白い店も増えているそうで、若い女性が増えつつある様です。

どの様に発展するのか楽しみです。

 

結局黒豆は手に入りませんでした。

五十年前の名品を再現

  • 2018.10.14 Sunday
  • 09:20

「目返し」と言う言葉をご存知ですか?

下染めをして、蝋やゴム、ダンマルあるいは糊などの防染剤で柄を伏せて上から染め上げるもの。

つまり二色に染める事を言います。

下染めをせず、柄を伏せて上染めし、防染剤を落としてからもう一度上から染める「目引き」と言う方法もあります。

 

目引きで仕上げると上がりの色の予測が難しいのですが、その分良い色になると信じている職人さんが多い様です。

 

そんな「目返し」のローケツで五十年程前一世を風靡した図案が見つかりました。

トリックアートの様な民家の模様です。

制作したのがこちら。

下染めは利休鼠、上から青味の紫を掛けて染め上げました。

蝋の筆遣いがそのまま表現されます。

 

こちらは薄色で。

下染めは青磁系、上染めは赤紫を掛けています。

 

こちらは白の上に黒で染めたもの。

筆を持つ職人の息づかいが分かるかも。

 

大きな柄は仕立映えがします。

着姿が美しいのが魅力です。

 

図案の送りが長く、身丈ちかくあります。

上と下は同じ図案。

下の一分を拡大すると。

筆に含まれる蝋がその動きで生地に乗る蝋の暑さを変化させます。

重なった所は厚めに。

 

臈纈として奈良時代から始まったローケツは友禅より遥か前から日本の染でした。

お洒落着として一枚は持っておきたいものです。

手描友禅のがま口

  • 2018.10.10 Wednesday
  • 06:39

「がまぐち」漢字で書けば「蝦蟇口」英語で書けば「Bamboo Shoot」あるいは「Flog Mouth」もう一つ図柄からすると「Treasure Case」つまり「宝物入れ」になるかも。

手描友禅で染めた図柄が「宝尽くし」ですから。

出来上がりの一分がこちら。

左側が金茶と濃い紫、真ん中の筋が深い臙脂、右側が黒地です。

金具がライトの加減で光ったり沈んだりしていますが同じものです。

金具の横巾が7.5cm、小さめの「がまぐち」です。

大きいと金具がかなり高価になるので、小さくしっかりした物を選びました。

使用生地は手織りで厚めの紬、稀少品を使っています。

内側の生地も耐久性を考えてラメ入りの正絹生地を使いました。

 

宝尽くしのそれぞれの柄、名前が分かる人は可成り古典文化に詳しい方です。

縁起の良い宝尽くしのがま口、金糸目友禅の手描で価格は¥1,500です。

お問合せやご注文はホムペのお問合せから。

http://some-u.com/contact/

壬生狂言を見学しました

  • 2018.10.09 Tuesday
  • 08:00

連休の最終日、工房の定休日でもあったので壬生狂言に行ってきました。

「炮烙割り」で有名なのでご存知の方も多いと思います。

壬生寺は新撰組の壬生の屯所近くにあった寺でも有名。

その屯所の一つであったのが八木家。

その前を通ります。

見学が可能で、直ぐ近くには同じく屯所となった前川家もあり、そちらも公開されています。

屯所が西本願寺に変る前でした。

 

壬生狂言が開催されている時は露店が出ているものと思って昼餉を取らずに壬生寺へ。

呆然!

露店無しです。

仕方なしに狂言会場に。

早かったのですが開場されていたので中に。

料金は千円です。

舞台は演者が居なくても全く撮影禁止、これは悪しき日本の伝統だと思いますが。

舞台はこの建物の向う側にあり、重要文化財に指定されています。

開演は午後一時、終了は午後五時半。

実は一時間程度で幾つかの演目が演じられ、観客の入れ替えがあるものだと勘違いしていました。

この四時間半で六つの演目が10分程度の休憩を挟んで演じ続けられるのです。

 

隣に座ったご夫婦の話では先ずは忍耐ですと聞かされました。

太鼓に鉦、そして笛の割と単調な拍子で無言劇、無言の踊りと言って良いかも知れません。

確かに同じ所作を繰り返して踊るのですから最初は眠たくなるかも知れません。

隣のご主人は解説書を読むと演技の意味が分かって面白いですよと。

 

販売する方が来られたの買い求めました。

縦が二十センチ程の小さな解説書ですが、30程の演目の意味や出演者、ストーリーが載っています。

これを読んで狂言を観ると俄然面白くなってきました。

その所作の意味が手に取る様に理解できます。

 

演じる人は近くに住む人達で構成されているとか。

全てボランティア。

地域の伝統として受け継がれているのです。

 

最初に演じられるのは有名な「炮烙割り」。

陶器の炮烙に願いを書き込んだ皿の様な物。

単に割るだけだと思ったらほぼ40分の狂言でした。

炮烙売と太鼓売が市場の権利の取り合いをし、負けた太鼓売が腹いせに積まれた炮烙を落とすというもの。

皿を演者が見えない程積まれ、それが次々に落として割れるのは壮観です。

この長い時間を拍子に合わせて踊り続けるのですから憶えるだけで大変。

 

次の演目は「土蜘蛛」

源頼光の家臣渡辺綱などと蜘蛛の化身の戦いですが、その手から広く放たれる蜘蛛の糸が観客席迄。

名場面です。

この演目では小学生も太刀持ちで登場、立派な演技です。

太鼓も小学生。

見る程に引き込まれます。

 

その次は「桶取」

生まれつき指が三本しか無い事から生まれ変わるときには普通になりたいと水を汲んで観音様参りをしていた白拍子。

その美しい姿に惚れた商人が言い寄って思いを遂げると、醜い商人の身籠の嫁さんともめます。

その所作の面白い事。

素人とは思えません。

伝統の恐ろしさとも言うべき見事さ。

この演目の終了時で既に午後四時前。

空腹と板の椅子で忍耐の糸が切れて帰る事にしました。

 

全く期待していなかった壬生狂言でしたがこれほど優れたものとは思っていませんでした。

次回休みと合えば、しっかり準備して見学したいと強く思った次第です。

この壬生狂言も鎌倉時代に始まりました。

演目も他の伝統芸能と重なっています。

日本には能や狂言、舞楽に歌舞伎、浄瑠璃など凄い伝統文化が残っています。

誇りにすると同時にしっかりと保護する事も大事な事だと思います。

奇跡の街並:奈良今井町

  • 2018.10.03 Wednesday
  • 06:38

昨日は奈良の橿原市今井町へ行ってきました。

奇跡の街並と言われています。

近鉄奈良線の橿原の少し手前、八木西駅下車で直ぐです。

浄土真宗(昔の一向宗)が武力を持って武士に対抗していた事はご存知だと思います。

工房の直ぐ側の東本願寺でも堀もあれば、裏側には城の様な高い石垣があります。

こちらの「今井町」はそのまま浄土真宗のお寺でした。

周りに堀があり塀で囲まれちょっとしたお城だったのです。

 

一時信長に対抗しましたが恭順したので焼き討ちされる事無く無事に残ったという訳です。

その後お寺は小さくなり敷地に街が形成、商都「堺」の一部として発展しました。

 

八木駅から今井町への入口にある橋と榎。

この橋は名前が「蘇武橋」飛鳥川に掛かっています。

由来は分かりませんが奈良らしい名前です。

この榎は今井町の入口のシンボルに。

 

直ぐ近くに古くから有ったであろう井戸が。

こちらも「蘇武井」と。

 

先ず案内板から今井町まちなみ交流センターへ。

明治36年に建てられたのは教育博物館として、その後今井町役場に。

現在は「華甍(はないらか)」と名前が付き、今井町の歴史資料館となっています。

その階段が素晴らしい!!

 

そのあと街を徘徊しました。

先ず行ったのは酒蔵。

「河合家」

現在も酒を製造していますが、その一部。

見事なカマドがありました。

この今井町が凄いのは街全体の殆どが明治の頃のままに保存されている事。

重要文化財だらけ。

この河合家も重要文化財に指定されていました。

昼時なのでこちらで紹介された蕎麦屋さんへ。

「粋庵」

蕎麦も手打ちで美味しかったのですが、お惣菜や天ぷらそれにお米も超美味。

先程の河合さんで特別にこの店用に作られた生酒がまた美味。

帰りに似た酒を買った程。

ご飯をアテに飲めるのは初めてでした。

左の木はあの榎です。

 

街を散策するとこんな風景です。

 

 

これだけの街並に人が居ません。

何と勿体ない事か。

 

商人の街であったので侍を上から見下ろせなかった故二階は低め。

虫籠窓も普段は閉めたままです。

 

こちらは重文の旧米谷家。

中には蔵や珍しい蔵前座敷もありました。

こちらの写真見覚えがありませんか?

家内が写っていますが。

ほぼ毎日CMでご覧になっている筈。

朝ドラのロケにも使われました。

 

こちらも重文の音村家。

豪商ばかりが集まり、当時奈良の資産の7割がこの今井町に集まったとか。

 

こちらは低めながらお城の雰囲気もある今西家。

バカでかい敷地にあります。

 

こちらは今西家と並ぶ豪商で藩の蔵元を務めていたとされる豊田家。

屋根の修理で重文指定はされていませんが、隣の分家が指定されています。

この向いに財に任せて収集した骨董等が展示されている豊田家の記念館があります。

 

最後に寄ったのが「珈琲さとう」

カフェがこの今井町で増えたそうでこちらもその一つ。

街の人の少なさから誰も居ないと思っていましたが、結構賑わっていました。

味は秀逸。

 

これだけの街並は例を見ません。

外国の方が知れば大賑わいになる事は間違い無さそう。

 

宣伝の仕方では大化けすると思われる価値を持った街並。

勿体ないですね。

ここで出会った人は皆親切。

奈良の人は遠慮が過ぎるのかも。

工房の行灯:紅葉の窓で思惟の遊にゃん

  • 2018.10.01 Monday
  • 08:46

台風24号で被災された皆様を心からお見舞い申し上げます。

今回、京都は直撃を免れています。

進路の左側になったので中心が名古屋辺りになってから雨風が急に強まりました。

ゴーゴーとうなり声を上げています。

 

工房の行灯が秋モードになったのでご紹介します。

「悟りの窓」で思案中の遊にゃんです。

昼行灯。

悟りの窓は京都鷹ヶ峯の源光庵が有名。

遊にゃんは何を悟ったのでしょうか。

「我輩は猫である」かも。

 

夜行灯は。

 

9月30日は航空便は全面ストップでしたが、宮崎からお客様が来られました。

完全に無理だと思っていたら、何と前日の最終便に変更されていました。

振袖の前撮り写真を見せにわざわざ。

何と有難い事です。

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