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遊そぞろ

京町家 染工房 遊のブログ

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一珍、絞り、チャンチン蝋の帯

日本を縦断する台風に被害を受けられた皆様、御見舞申し上げます。

今なお残る伝統工芸を御覧頂き多少の励みになれば幸いです。

 

先だって一珍友禅の糸目筒描きを御覧頂きました。

彩色が終わって珍しいシーンを御覧下さい。

小麦粉を主原料にした一珍糊をキッチンナイフで削ぎ落としている所。

糸目は固く盛り上がっているので、蒸し前に。

柄の外側の白い線は工房独自の「チャンチン蝋」を使って既に仕上げたもの。

拡大です。

粗い粒状に一珍糊が剥がれているのが分かります。

一珍糊は小麦粉に布海苔や石灰、明晩を加えて作ります。

もろくして割れを入れたりする事も。

その配分はそれぞれの工房のさじ加減。

糊に色入れれば色糸目に、この帯では白の胡粉周りが黄色の色糸目です。

 

染め上がった帯の太鼓がこちら。

この帯の外側に使ったのが「チャンチン蝋」

インドネシアの民芸である極細の蝋線ですが、工房独自の技法で再現しています。

こちらは非公開。

 

この「チャンチン蝋」の技法を使った帯を続いて染めています。

絞りにチャンチン蝋友禅:唐花散し文様。

手前は腹、太鼓部分を彩色しています。

手元です。

帽子絞りで白抜きした所にチャンチン蝋で糸目の線を描いてあります。

蝋でこの様な細い線は一般的には不可能だと思います。

 

絞りに似せた素描も併用。

染め上がった帯の太鼓。

 

拡大してみましょうか。

 

絞りも職人さんが激減しましたが、残っている職人さんは名人だけみたい。

黒地でこの上がりです。

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鬼の額裏

鬼の額裏が蒸しや整理から上がり仕立てに入ります。

その前にご了解があったのでご覧下さい。

男性用羽織の裏になります。

脱いで見せたくなるでしょうね。

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三つ参り、親子で手まりウサギ

五年余り前、位置付け小紋(工房では遊小紋)で手まりにウサギの着物を染めました。

関東方面にお住まいのお客様からのご注文。

彩色している写真がこちら。

金糸目友禅です。

 

その後、ご子息がご結婚され赤ちゃんが誕生。

その時に染めた初着がこちら。

手鞠の図柄には思い入れの深いモチーフも取り入れています。

 

以前、この手鞠に和玩具で遊ぶウサギの初着を染めた事もあります。

全てお客様とご相談して染めたお誂えです。

 

そして、つい先日この初着を三つ参りの着物に仕立直したところ、早速記念撮影されました。

ご許可を頂いたのでご披露致します。

お家族が着物姿で。

ご子息ご夫妻とお二人のお孫様。

着座されているお嫁さんは先年おばあ様に染めた手まりウサギの遊小紋。

見事な着姿に着用されています。

お孫様の着物が今回仕立直しした三つ参り着物。

上に着用されているお被布は染める間が無いという事で、仕立上りを工房が手配した正絹の既製品。

 

ご両親の手を取って愛らしいお孫様。

 

そして、このブログをご覧になる方にぜひとも見て欲しい素晴らしい写真がこちら。

見つめ合う親子!!

プロのカメラマンが撮ったとは言え素晴らしい感動的な写真です。

 

日本の美そのもの!!

 

ブログに付き、お顔はぼかしていますが、私はその前の綺麗なお二人の姿を見ています。

羨ましいでしょう。

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幻の友禅「一珍染」で帯を:その壱

十年程前でも幻と言われた「一珍」ですが、まだ少ないながら居られました。

現在は全く話題に上ってきません。

 

糸目友禅に使うものは古くは餅米を主成分に蘇芳で色付けした「赤糸目」

炭を細かくしたり、亜鉛末で防染力を高めた「黒糸目」が使われ、現在でも手間の掛かる高級品で使われています。

 

手描友禅が庶民に届く様になったのは、糸目に工程を省けるゴムが使われたから。

白では識別出来ないので揮発水洗で落ちる群青を混ぜたので「青糸目」と言われています。

 

工房では糸目自身に防染力が期待出来ない「金糸目」も使っています。

お洒落感が高いので人気があります。

 

さて「一珍」に使う糊は何なのか。

それは小麦粉をメインにした糊。

乾燥すると割れたり剥がれたりするので、糸目を置く同じ場所で彩色しなくてはなりません。

糸目や彩色が分業された京都のシステムが一珍を衰退させたのです。

 

先ず「一珍」糸目を見て頂きましょう。

一珍糊自体は引き染に耐えられないので、薄地又は蝋や糊で白抜きした濃地を使います。

 

今回は蝋で伏せた帯地。

拡大すると。

外側の線や点は工房独自のチャンチン蝋の糸目。

蝋は既に除去し、白く上がっています。

 

もっと拡大すると。

白く盛り上がっているのが「一珍糊」、黒い線は青花の下絵です。

 

そして面白いのがこちら。

先の糸目とは色が違っています。

拡大。

一珍糊に染料を混ぜ「色一珍」で筒描きしています。

使っている生地は濱縮緬、ゼンマイ入り紬です。
この後彩色に入りますがそれは次回に。

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鬼の額裏:その弐

男性用の羽織の裏を「額裏」と言います。

額の様な絵が描かれる事が多かったのが由来とか。

羽裏とも。

 

前回は鬼の面を蝋で柄を伏せた場面を紹介しました。

今回はその仕上げです。

地色は薄め、少し青紫味のグレー。

蝋が伏せてあった所は白く上がっています。

素描をしています。

線は「青花当たり」下絵になり、蒸しの高熱で消えます。

 

可成り進みました。

 

角と目と牙は金泥描き。

広い額裏は作業が大変、縦のシワを伸ばす事が出来ないので手前で軽く引っ張りながら。

 

続いて髭の線を素描。

少し分かりにくいかも。

 

金泥描きの部分に墨で陰影を付けます。

使うのは筆ではなく、片羽と呼ばれる平べったい刷毛、ぼかしに使います。

左側の角や目玉、牙に影が入っているのが見えるでしょうか?

 

こちらは作業工程の公開を許可頂きました。

この前は非公開ですが般若を、今回は赤鬼でした。

全く同じものは出来ませんが、違う面に挑戦したいものです。

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絹のメガネ入れ

お客様の注文があったのでこんな「メガネ入れ」を作りました。

何年も前に試作品を買われたお客様がどうしても欲しいと仰ったので、ついでに私用を。

クッションは入っていませんが、普通に使う段には全く問題無く傷んだ事は無かったとの事。

二重になっていて、裏生地は表と同様で着物に使う正絹の生地を使っています。

 

実は良く似たメガネ入れを持っていたので、私も同意見。

ウェストポーチに入れて使っていましたが、邪魔にならず、メガネも傷まず。

 

 

こちらは疋田ですが、他の柄も例えば梟など思案中です。

長さが約17.5cm、巾が7.5cmで上の写真の小さなメガネには余裕がかなり、普通の大きさだとピッタリです。

ご注文があれば950円で制作致します。

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鬼の額裏:その一

男性の着物は羽織を着用するのが普通、その羽織の裏を「額裏」と言います。

広げると、額の様に大きなキャンパスになるからでしょう。

昔は凝ったものが多く骸骨や色町風景など。果ては春画まで。

そういった変った図柄を描く人が殆ど居なくなったので、おもしろい男性用の額裏や襦袢が世間から消えています。

そんな中、工房では最近、大津絵の鬼や般若面を染めていますが、承諾があれば御覧頂けるかも。

 

その額裏に鬼の面を描く事になりました。

世間的には大変珍しいので順を追って御覧頂きます。

今回は柄伏せの場面です。

 

生地に柄の形で伏せる所から。

伏せは蝋で。

額裏の生地巾は着物生地の倍はあるので、しづらい事この上ありません。

 

防染力を高めるのに一度では力を発揮出来ないので、全面二度伏せして蝋の厚みを増やします。

二度伏は腕の見せ所。

縁を揃えるのに集中と技術が必要、仕上がりの差が現れます。

 

筆の動きが分かります。

新品の蝋は真っ白ですが、防染力が弱め。

これくらいになるとベストです。

 

全体の伏せが上がりました。

 

これから地染めに入ります。

次回は白抜きした面がどの様に染まっていくのか御覧頂ける様にする予定です。

お楽しみに。

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初着に描き疋田

工房では初着や三つ詣り等、お子様の着物をご注文を頂く事がよくあります。

今回はその初着に最近では珍しい「描き疋田」を使ったので詳しくご紹介します。

 

疋田は鹿の子絞りで大変な手間を掛けて表現するものですが、簡易に型紙を使い「摺」や「写し糊」を使う事が多くなりました。

型を使っても大変な作業には違いありませんが、今回は小さな疋田を表現するのに素描を使っています。

 

先ず初着の袖の部分を御覧下さい。

右袖で友禅彩色は既に終わって描き疋田に取り掛かっている所。

左側檜扇の上にある橘の一番上が仕上がった描き疋田です。

 

これから手元だけ御覧下さい。

下から光を当て疋田の草稿図案を写しているので、出来上がっている様ですが手前左側のほんの少しだけ進んだ所です。

 

こちらは別の場所。

「面相」という細密な顔の造作を描く為の筆を使っています。

こちらは取りかかったばかり。

その右側に仕上がった橘が見えます。

目消しで柄の縁と糸目の線の部分を塗り潰してあります。

 

中途まで出来た場面。

この写真であれば糸目の線が見えます。

その糸目の線を除去すると白く線が浮かび上がるのです。

 

これは又別の部分。

橘の葉の先だけ残っているのが分かると思います。

 

数少ないのですが、この描き疋田を専門に行なう職人さんが居た時代もありました。

遠い昔ですが。

 

今は余りお目に掛からない「描き疋田」でした。

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和手ぬぐいを絞りました

綿の和手ぬぐいを久しぶりに染めました。

絞りです。

染めは小さな工房では大変難しいという「反応染料」を使っています。

一枚の仕上りがこちら。

大きさは長さが約90cm、巾は30cm。

900円で数枚臨時で販売しています。

 

拡大すると。

 

他の色では。

 

 

一般的な綿のタオル等大工場で染められるのが「反応染料」

焼けずに洗濯しても落ちないのはこの染料で染めているからです。

 

着物でも使う事の出来る「直接染料」でも綿は染まりますが、耐光性が弱く洗うと薄くなる事が多めです。

 

着物の染めに使う酸性染料は蒸しで少し濃くなったり発色して派手になったりします。

 

染め上がった時と空気との反応で全く違う色になるので、見ていて楽しい面も。

その上、この反応染料では着物の色抜きに使う薬品も使うという離れ業も。

 

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遊にゃんと遊ワンのボトルカバー

手作り小物の新作が出来ました。

必要は発明の母と言いますが、勿論そんな大げさではなく必要があって制作したものです。

 

お馴染みのペットボトルはリサイクルされますが、マグボトルは飲物を保温する為の道具でずっと使える必需品です。

左は家内が探し求めてやっと見つけた200ccのマグボトル、右は一番一般的な350ccのマグボトルです。

ちょっと持って歩くにはこの形は不便。

そこで考えたのがボトルカバー。

500ccのマグボトルまで入る大きさで作りました。

 

遊ワンのボトルカバー。

一番右でも分かる様に襠も作ってあります。

 

こちらは遊にゃんのボトルカバー。

 

勿論全て一つずつ手描き。

生地は帆布。

袋部分の巾は約14cm、縦が約22cm、紐の長さは約13cmで500ccのマグボトルが入る大きさになっています。

 

1,200円で販売を開始しました。

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