手描友禅の日傘:真向い兎

  • 2019.07.08 Monday
  • 08:19

先日、工房に東京のお客様にお越し頂きました。

美しいお二人は親娘、何度も着物を染めさせて頂いています。

その客様からご注文頂いたのは日傘。

昨年来制作していなかったので、お客様にお願いして公開させて頂きます。

 

ご注文頂いたのは「薄山葵」の地色で伝統的な「真向い兎」の図柄。

それを見て家内も「灰青」で作って欲しいと。

こちらは後から制作した灰青の制作中のスナップ。

仕上りの良さに家内はちょっと諦め店頭に飾る事にしました。

 

お客様にお届けした薄山葵色の日傘がこちら。

 

反対側が。

実物は地色がもう少し緑味が鮮やかです。

こちらは綿の生地を使用。

手描友禅は普通正絹を使いその日傘も制作しています。

正絹では普通、酸性染料を使うのですがそれだと耐光性に問題があるので日傘では反応染料を使っています。

綿の染に開発された反応染料はデーターの集積が必要で、一般には大工場で管理された環境で染め付けられます。

 

小さな工房の染では試行錯誤の連続でしたが、何とか思った色に染める事が出来る様に。

それでも正絹は使い慣れた着物生地ですが、綿は風呂敷の生地を使うので巾が1メーター程。

綿は安価に思えますが実は可成り手強い相手で、繊細さに使う神経と手間はこちらの勝ち。

まあまあ納得の仕上りに出来たのでお客様には喜んで頂きました。

 

価格は8,800円、図柄や色の別注もお受けしています。

伝統を進化させる帯

  • 2019.06.10 Monday
  • 09:31

伝統は進化させてこその伝統。

同じ事の繰返しの中でちょっとしたアイディアやお客様からの要望が進化させるチャンスとなります。

 

ここで紹介するのは既に幻の染となった「一珍」とローケツの進化形「チャンチン」

 

「イッチン」と呼ばれる陶芸の技法があります。

清水焼でも良く使われる「盛り上げ線」で日本伝統の「筒描き」技法が呼び名となっています。

 

友禅で普通に使われる手描友禅の糸目糊は餅米、ゴム、金なんですが、染め技法の「一珍」は小麦粉を主体に布海苔、明晩、石灰をそれぞれの工房のマル秘配分で調合したもの。

乾くと剥がれやすいので糸目を引いた場所から移動出来ません。

なので、糸目や彩色が専門化された時代に取り残されてしまいました。

 

工房ではその一珍糊に色を混ぜる事で色一珍を作り素描代わりにも使っています。

筆とは違った仕上りに。

 

チャンチンとはインドネシアのバティックで使われる極細のローケツ線。

銅で作られた象の鼻の様な器具から描かれる線は極細、筆では表現出来ない細さです。

その細い線を描きだす為に工夫して器具を制作しました。

今回は細い線ではなく点描をメインに。

 

色一珍とチャンチンローで帯を制作しました。

三柄でその一つ目。

拡大すると。

白の点描がチャンチンロー、黒は素描で他の色は色一珍。

普通の素描だと色を重ねると混濁した色になりますが、色一珍は先に置いた方が優先されます。

上の写真でご確認下さい。

 

二つ目。

拡大すると。

四角い焦茶は素描、紺はわざとかすったかの様に素描で。

白の点描と紺の中の白い線はチャンチンロー、色のギザギザは色一珍です。

 

三番目。

拡大すると。

赤茶と紺は素描、紺はかする様に。

点描がチャンチンロー。

縦の中太の短め線が色一珍です。

 

一珍の性格上濃い色には手間が掛かりますが、色はお好み次第。

工芸的な作品なので紬や小紋に最適です。

価格はお問い合わせ下さい。

珍しい「矢」柄の訪問着

  • 2019.05.11 Saturday
  • 06:37

先日、工房に着物姿でお客様がお越し頂きました。

今迄何度もご登場頂いているのでご存知の方も多いと思います。

 

お誕生日のお祝いのお出かけに合わせて、現在進めている波の訪問着の打ち合わせにお越し頂きました。

着物は「矢」をモチーフにしたちょっと珍しい図柄です。

矢は神事にも使われる破魔の意味を持つ縁起物。

工房の前で撮影しました。

地色は空色、特にお気に入りのブルー系を選ばれています。

金銀箔、胡粉白、青味の赤、レモンイエロー以外は青緑から紺系、紫迄冷たい色で統一しています。

この着物はまだ低めですが上前の柄の高さは工房のお客様で一番。

美しい容姿と背の高さがこの着物を引き立たせてくれました。

 

後姿です。

こちらの帯はご存知の方が多い有名な作品、鎧をモチーフにした西陣織。

白等の地色替えや微妙に柄の変化を付けて制作されています。

お手持ちの白地の鎧柄も似合いそうです。

 

波の訪問着はこれから、いつか着姿をご披露出来るかもしれません。

 

小鬼の手ぬぐい

  • 2019.04.01 Monday
  • 09:14
綿生地の手ぬぐい制作を再開しました。
今回、以前よりずっと綿ぼこりの少ない生地を入手する事が出来たからです。
それに合わせて新たなキャラクターを登場させます。
「小鬼ちゃん」です。
こちらは「昔話小鬼」
浦島太郎や桃太郎、牛若など。
一部を拡大すると。
こちらは一寸法師。
「遊び小鬼」。
手毬や羽根つき、独楽回しなど。
だるま落としですね。
こちらは「宝尽くし小鬼」
宝珠や隠れ蓑など。
打出の小槌を持っています。
そしてこちらは「京野菜小鬼」
丹波栗や慈姑くわい、鹿ケ谷南瓜など。
こちらは賀茂茄子。
もともと帯の新柄で描いた小鬼があまりに可愛かったのでシリーズにして手ぬぐいに。
もちろん帯用に描き直す事も出来ます。
綿布の手ぬぐいの価格は850円です。
昨日から販売を開始しました。

蝋タタキとダンマルの小紋

  • 2019.03.02 Saturday
  • 06:32

着物通の方なら大抵の方がご存知な「蝋タタキ」

色んな場面で使われてきました。

人間国宝の着物でも。

しかし、最近は見る事も聞く事もほとんど無くなりました。

 

最も早く使われた「蝋タタキ」は平刷毛に溶けた蝋を浸して木の棒に叩きつけて粒状の蝋を生地に振りまくもの。

蝋タタキはそんな光景から名前が付いたのだと思います。

今回ご覧いただくのは刷毛による蝋タタキから進化したエアガンによる蝋タタキです。

お手持ちの紬の生地に「星空の様な」という注文で普通の蝋タタキより少なめにしています。

拡大すると。

蝋タタキは準備と片付けに時間がかかるので専門の工房と職人さんがいました。

今回は久しぶりに我が工房で。

地染めは蝋タタキ専用の刷毛と専用の染め方が必要、ちょっと無理を聞いてもらいました。

 

こちらは「ダンマル」の縞更紗。

ダンマルはローケツの一種ではありますが、使用するのは揮発で溶かした木のヤニ。

蝋は上のタタキの様にはっきりと防染して白く上がりますが「ダンマル」はボヤーとボケて上がります。

蝋より防染力が弱いのです。

なので上がりはソフト。

下絵代りに縞更紗を薄くプリントしてダンマルを筆描きしました。

その上から地染め、ダンマルを落として、ふんわり被った上がりにもう一度上から地染めしたもの。

工程の多さはいうまでもありませんが、その分しっかり味わい深い上がりになりました。

拡大です。

生地に地紋もあるのでより味わいが出ました。

無地なら古代縮緬に味わいがあります。

 

生地代は別として蝋タタキは三万円程度で上がりますが、ダンマルの縞更紗は七万円程度の染加工代となりそうです。

 

お問合せ

http://some-u.com/contact/

 

雅楽と舞楽のトートバッグ

  • 2019.02.24 Sunday
  • 06:30

神社が主な舞台となる舞楽は日本古来の伝統芸能ですが、ルーツは中国、朝鮮にありました。

それぞれ「左舞」「右舞」と呼ばれ、日本で生まれた「和舞」も加わっています。

本国では既にその文化伝統は消失し日本でのみ受け継がれてきました。

 

舞楽の中で一番よく演じられるのが「蘭陵王」と「納曽利」で番舞(つがいまい)とされ続けて舞うのが通例の様です。

江戸期の木版刷の古書にある蘭陵王。

加筆して細密になっています。

この図を素案にして描き直した蘭陵王と納曽利をプリントして出来上がったのがこちらのトートバッグ。

舞楽愛好者の方から何度もご注文頂いたA4サイズです。

 

今回のご注文は上のトートバッグを既にお持ちの方。

雅楽の「龍笛」を嗜まれるので大きめのB4サイズでのご注文。

今回はこちらの蘭陵王と納曽利はやめて他の舞楽に。

そして、反対側には龍笛を含んで雅楽器を入れる事に。

 

舞楽には「胡蝶」と「迦陵頻かりょうびん」を入れました。

古書で迦陵頻はこんな図です。

実際に各地で演じられる迦陵頻も子供が舞う事が多い様です。

迦陵頻は仏教に登場する想像上の生き物「迦陵頻伽」で上半身は人間、下半身は鳥。

美しい声を発するという事で色んな楽曲が生まれています。

胡蝶と一緒に。

お気づきだと思いますが、装束には丸い紋をあしらっています。

「織田木瓜」で信長が舞楽をよく保護した事に由来するとか。

 

裏側は雅楽に使う楽器を配しました。

大きいのは「楽太鼓」

その右は笙(しょう)、その下が篳篥(ひちりき)、一番下が龍笛です。

笙は見た目より小さなもので、見た目に英国のバグパイプに似ている部分があります。

 

今回使っていませんが、雅楽器の笛では他に「能管」「狛笛」があります。

 

太鼓では楽太鼓の大型「火焔太鼓」は迫力満点。

鼉太鼓(だだいこ)とも呼ばれて東本願寺で見た事があります。

左右一対で火炎の縁にそれぞれ龍と鳳凰が鎮座します。

他に「鶏婁鼓けいろうこ」と呼ばれる首から下げる小太鼓や、デンデン太鼓に似た「振鼓」、下に置いて打つ「鞨鼓かっこ」という鼓に似た楽器も。

 

伝統の雅楽、長く子孫に残して欲しいものです。

 

お問合せ

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偶然が生み出す絞りの世界

  • 2019.02.08 Friday
  • 06:32

着物の染めは仕上がりを想定してそれに限りなく近づけて進めていきます。

絞りの世界でも同じです。

 

しかし、絞りと言っても仕上がりが不確定な染め方もあるのです。

締める力を緩める事や気ままに絞る場所を変える事、もう一つは秘密、そして偶然が美を発見してくれます。

今回染めた絞りのハンカチがそれに当たります。

想定していない色が現出する事がよくあるのです。

 

 

同じ染料で染めても雰囲気が変わる別物に。

偶然は楽しいですね。

同じものは二度と出来ない面白さ。

染めに使ったのは反応染料、耐光性が強いので注目されいますが、扱える職人が極めて少ないのが現状です。

 

価格は580円、ハンカチなので綿生地。

是非工房で手に取って頂きたいと思います。

 

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革絹の信玄袋と紋ふくさ

  • 2019.01.27 Sunday
  • 06:30

工房では手づくりの和小物を制作していますが、今回試作したのは牛革と絹を使った信玄袋。

男性用に見えますが女性でもお洒落に使えそうです。

少し斜めから撮影、襠を少し取ったので厚みが分かります。

下が牛革、上が濃い鼠に染めた絹。

裏は臙脂色に染めた絹の生地を使っています。

大きさは革の底部分の巾が約17cm、袋の部分全体の高さが約27.5cmです。

価格は¥2,600。

 

日本の家紋はデザインの宝庫。

家紋やそれに類するもので「ふくさ」を作ってみました。

ふくさ(袱紗)と言っても、楽しいと思えば使い方は自由。

面白く作ったものもあるので考えてみましょう。

 

先ずは無地で。

チラッと覗いて見えるのが裏の生地。

 

黒に近いグレーで。

上が「雪月梅花」、下が「一つ帆の丸」

 

色物では紫地に「雪月梅花」と青磁色の「猫の丸」

お洒落で楽しい柄は良いアクセントになるので大きくしてみました。

 

ふくさを広げるとこんな風に。

上を閉じると「月兎」

下は地色違いで紋を大きく。

 

同じ兎でもこんな紋も「夕浪兎」と下はロマンチックな「恋文」

家紋帳に存在する正式な紋なんですよ。

 

そして創作紋「向い猫」

大きさは横が20cm余り、縦が12.5cm余り。

使用生地はもちろん絹、崩れない様に裏との間に接着芯を入れています。

価格は¥1,050。

販売を開始しました。

 

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メルヘンな帯をご紹介

  • 2019.01.12 Saturday
  • 06:35

工房ではメルヘンな帯に人気があって制作を続けています。

以前に作った帯も合わせて幾つかご紹介します。

全く雰囲気の違うものばかり。

 

こちらはぼかしをメインに金糸目友禅で仕上げたフクロウ。

 

シルエットの影に潜む黒猫。

エメラルドグリーンの眼も綺麗でした。

ローケツの堰出しと素描で。

 

こちらはワンちゃんのサンタクロース。

ツリーに向かって舞い降りてきたところ。

お茶の先生がクリスマスのお茶会で召されました。

サンタの拡大。

サンタは白糸目の手描き友禅、ツリーはゴムの筒描きに彩色。

 

こちらは一転、白上げのダルマさん。

ゴムの筒描きという技法を使っています。

シンプルで返ってモダンでもあります。

 

こちらはのどかな田舎風景。

ダルマと似た技法で白抜きした跡を彩色しています。

 

ローケツの極細の線と堰出しで染めた星降る夜空。

夜空の色は紫系。

この帯、関西腹に自分の星座柄が入ると面白い帯に。

 

工房で着物や帯で一番人気のある動物がうさぎ。

うさぎには物語が似合います。

今回はピエロを金糸目友禅で。

音楽会など現代風から民話まで一緒に作ってみませんか。

 

楽しいメルヘンの帯は制作を続けています。

お楽しみに。

 

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お目出度い時にお目出度い着物を

  • 2019.01.04 Friday
  • 07:49

昨年末、お客様からお宮参りの写真を頂きご了解を得たのでご覧頂きます。

お正月にふさわしいお目出度い着姿です。

可愛いお顔はぼかすので見えませんがご想像を。

お客様のご次男様のお子様。

 

初着は「鈴に紫陽花」、地色はピンク地。

紫陽花はお母様のお好みで図柄にしています。

紫陽花は季節的にはずれますが好みの柄を入れるのが誂えの妙味。

喜んで頂きました。

 

以前、長男様のお子様の初着を染めましたが、そちらは「手鞠」

その時も奥様のご縁から図柄としては珍しいチューリップを手鞠の中に入れました。

 

こちらは次男様ご夫婦とお子様。

ぼかしても分かる美男美女のご夫婦。

 

赤ちゃんなのに、可愛いだけでなく既に凛として聡明な事が分かる素顔。

ちょっと驚きです。

どの様に成長されるか楽しみです。

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